トランプ氏、国家情報長官の職権縮小か CIA改革も

トランプ氏は国家情報長官の職務権限の制限やCIA改革などに着手する見通しだという

2017.01.05 Thu posted at 18:05 JST

ワシントン(CNN) 米国のドナルド・トランプ次期大統領が同国の情報機関を束ねる国家情報長官の職務権限を狭める方途を検討していることが5日までにわかった。政権移行チームに近い筋が明らかにした。

国家情報長官は米中央情報局(CIA)を含む16の情報機関のテロ関連情報の集約などの任務を担う。

同筋によると、情報長官の権限の制限の検討は長官が時として16情報機関の活動に支障を与えているとの判断を踏まえたものとなっている。トランプ新政権で国家安全保障担当の大統領補佐官に就任するマイケル・フリン退役陸軍中将がこの制限案を後押ししているとの見方もある。

同氏は2014年に国家情報長官の指揮下に入った米国防総省内局の国防情報局の局長職を追われた経歴を持つ。フリン氏は国防総省の上司である情報担当次官やクラッパー国家情報長官と折り合いが悪かったとされる。

長官の権限縮小案は米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報じた。

トランプ氏はこれまで米情報機関の活動を再三にわたって強く批判。ロシアが昨年の米大統領選に影響を及ぼすため民主党全国委員会本部などにサイバー攻撃を仕掛けたとする米情報機関の結論も疑問視していた。

マイケル・フリン元国防情報局長

政権移行チームに近い筋によると、トランプ氏はまた、CIAで諜報(ちょうほう)活動に当たる人的資源の強化を図る案も検討している。米情報機関の指導部の陣容が固まった後、強化案などに関する評価や分析を望んでいるという。

米政界の保守派の間では、オバマ大統領下のCIAは電子戦での諜報収集や国家安全保障局(NSA)による通信傍受に過度に頼っているとする不満が積もっていたという。

ただ、国家情報長官の権限削減案については民主党から異論が出ている。米下院の情報特別委員会で要職を務める民主党のアダム・シフ議員は国家情報長官の職権の有効性を削ぎ、2001年の米同時多発テロ以降に得た重要な成果を台無しにさせると指摘している。

国家情報長官は米同時多発テロでの教訓を基に2004年に創設された。

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