(CNN) 米ニューヨーク市警(NYPD)は4日、2016年に通報を受けた事件の件数が統計を取り始めて以来、最も少なくなったと発表した。
対照的にシカゴでは、2016年に起きた殺人事件の件数が1997年以来で最悪の水準となっている。
ニューヨーク市警のオニール本部長はブルックリンで開いた記者会見で、シカゴ警察のトップが先月、ニューヨークを視察に訪れたことを明らかにした。犯罪が減った理由については「われわれは地域社会の中で特定の人物を洗い出している。犯罪にかかわっているのはごく少数の人物にすぎず、われわれはそのために持てるすべてのリソースを使っている」と説明した。
この手法と組み合わせて地域社会とのかかわりに重点を置いたことが成功につながったと当局者は指摘。NYPDの警察官はこの2年で2000人増え、過去15年で最大の増員となった。
NYPDがまとめた統計によれば、2016年の発砲事件は998件と現代史上最も少なく、前年より12%減少。殺人事件は約5%減の335件、強盗は約9%減って1万5498件だった。
会見に出席したデブラシオ市長も、「何十年もの間、犯罪と都市と言われて人々が思い浮かべるのはニューヨーク市だった」「だが犯罪は転換させることができると我々は実証した」と胸を張った。
NYPDは記者会見が行われたブルックリン博物館で、1980~90年代にかけてのニューヨークと現代を対比させる写真展も開催。地下鉄の車両は落書きだらけでセントラルパークはテントが並ぶ野営場と化していた当時とは対照的に、現代のニューヨークを写したカラー写真には整然とした光景が並んでいる。