米国で最も危険なスパイ<7> 動機

2017.01.09 Mon posted at 17:00 JST

(CNN) アナ・モンテス受刑者がスパイ活動に従事した動機が金銭ではなかったのは明らかだった。有罪答弁のために出廷した際の説明に、動機の一端が明かされている。

モンテス受刑者はこの中で判事に対し、「米国の対キューバ政策は残酷で不公平なものだと思う」と指摘。「米国の価値観や政治システムを押しつけようとする動きに対し、キューバが自国を守るのを助ける道徳的な責務が自分にはあると思った」と述べた。

ただ、こうした説明をモンテス受刑者の友人であるアナ・コロン氏は一笑に付す。コロン氏は「彼女はジャンヌ・ダルクのようなエネルギーに満ちていた。合法的な方法で驚くべきことを成し遂げられたかもしれない。しかし、彼女は、私から見れば、非合法で不必要な方法を選んだ。米国では、たくさんの組織で米国に反対する仕事に従事できる。彼女はすべきことをしなかった」と述べた。

モンテス受刑者は現在、テキサス州フォートワースにある連邦刑務所に収監されている。同刑務所のウェブサイトによれば、特殊な医療ニーズのある女性受刑者を収容するための施設だという。モンテス受刑者が健康面に問題を抱えているかは不明だ。2023年の7月1日に出所する予定となっている。

コロン氏はモンテス受刑者が収監されて以来、何度か手紙でやり取りした。モンテス受刑者は今でも開き直った態度で、自分の非を認めていないという。信念ゆえの行動だったとの言い分についてコロン氏が否定的な見解を述べると、不快感を示す返事もあった。

2人のやり取りは最近は途絶えているという。だが70年代に初めて出会ったときと同様、コロン氏にとっては政治よりも友情が大事だ。

「これは私にとってトラウマ的な経験になった。アナは私の姉妹のようなもの。彼女が私に連絡してきたら、私はいつでも相談に乗る」と話す。

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