米国で最も危険なスパイ<3> キューバのスパイへ

DIA勤務開始時にはすでにキューバのスパイとなっていたという

2017.01.05 Thu posted at 17:00 JST

(CNN) アナ・モンテス受刑者は1984年に大学を卒業。米司法省の事務職員として働くかたわら、米ジョンズホプキンス大学で修士号取得を目指した。

モンテス受刑者は当時、中米諸国の共産政権と戦う反政府勢力をレーガン大統領が支援していることに対し、激しい批判を展開していた。

モンテス受刑者に対する捜査を主導し逮捕にこぎ着けた連邦捜査局(FBI)の特別捜査官ピート・ラップ氏は「彼女は米国には自国の意思を他国に押しつける権利はないと感じていたようだ」と述べる。

大学内の何者かがモンテス受刑者のキューバへの強い思いに気づき、すぐに勧誘員に紹介した。モンテス受刑者はキューバのために働くことに同意したという。

モンテス受刑者はそのころ、米軍の機密情報を扱う国防情報局(DIA)での仕事に応募した。FBIによると、1985年に勤務を開始したときには完全にキューバのスパイになっていた。同年3月にはスペインやチェコを経由し、スパイとして初めて秘密裏にキューバを訪問した。

帰国後、学生時代の友人であるアナ・コロン氏とも会っている。コロン氏によれば、キューバを訪れたことに関し特に気にする様子もなく話していたという。スパイとしての訓練を受けるのが渡航の狙いだったことは、後日FBIから知らされた。

DIAでの本格的な勤務が始まると、モンテス受刑者からの手紙は途絶えた。キューバでの活動についてコロン氏があまりに知りすぎたため、モンテス容疑者の側で連絡を絶ったものとFBIはみている。

次回「米国で最も危険なスパイ<4> 発覚の経緯」は1月6日公開

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