成体で歯失う恐竜の化石、鳥類がくちばしを持つ理由解明か

小型恐竜リムサウルスの化石

2016.12.27 Tue posted at 15:16 JST

(CNN) 1億5400万年前の中国に生息していた小型恐竜のリムサウルスは、孵化(ふか)した時に生えていた鋭い小さな歯が成長するにつれて徐々になくなっていたという研究結果を、中国などの研究チームがこのほど生物学会誌に発表した。鳥類に歯でなくくちばしがある理由を解明する手がかりになると研究者は解説している。

研究チームは中国西部の新疆ウイグル自治区で泥の中のくぼみにはまって集団死したと思われるリムサウルス13体の化石を調査。年齢は幼体から成体まで幅があった。

論文共著者で首都師範大学の研究者ワン・シュオ氏は「一方には歯があって、もう一方には歯がなかったので、最初は違う恐竜だと思って別々に研究を始めた。ところがこのは両方ほとんど同一で、歯がなくなったことを示す確固たる証拠として、あごの骨に歯の抜けた跡があった」と説明する。

これは植物や昆虫などを餌とする雑食性だったリムサウルスが、成長に伴って草食動物へと変化したことをうかがわせる。

リムサウルスの成体の化石(左)と幼体の化石。幼体の化石には歯が見える

アヒルのようなくちばしをもつカモノハシや一部の魚類、両生類の中には、成長すると歯がなくなる種も存在する。しかしワン氏によれば、爬虫類(はちゅうるい)や恐竜の化石にそうした現象が見つかったのは初めてだという。

リムサウルスの化石が見つかったくぼみは深さ1~2メートルほどあり、マメンチサウルスのような巨大恐竜が火山灰に覆われた大地を歩いた時にできた足跡の可能性があるという。

ジョージワシントン大学のジェームズ・クラーク教授は今回の発見について、恐竜の子孫と考えられている鳥類がくちばしを持つようになった経緯を解く手がかりになるかもしれないと解説している。

成長すると歯失う恐竜、化石が見つかる

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