犬もストレスで若白髪?、感情の起伏の激しさに注意 米研究

犬もストレスで「若白髪」?

2016.12.26 Mon posted at 15:26 JST

(CNN) 犬も人間と同じようにストレスが重なると若白髪が増えるらしい――。動物学者で自閉症の啓発活動でも有名なテンプル・グランディン氏らの研究チームが、動物行動学会誌の今月号にそんな研究結果を発表した。

発端は数年前、コロラド州デンバーで犬の訓練施設を運営するカミーユ・キング氏が、感情の起伏が激しい犬ほど若いうちから白い被毛が多い現象に気付いたことだった。この話を聞いたコロラド州立大学教授のグランディン氏の勧めで研究が始まった。

グランディン氏がキング氏の話を聞いて真っ先に思い浮かべたのは、米国の歴代大統領に若白髪が多い現象だったという。

研究チームはノーザンイリノイ大学で4歳以下の犬400匹(白い犬を除く)を対象に「若白髪」の状況を調査した。普通は4歳以下の犬に若白髪は見られないという。

調査対象の犬はそれぞれ2枚の写真を撮り、飼い主には調査の目的を告げないまま普段の行動について21項目のアンケートに答えてもらって犬の不安感や衝動性の強さを調べた。人間の場合、そうした感情の不安定な状態とストレスとの関連が指摘されている。

アンケートの分析では、1人で留守番させるとクンクン鳴いたり吠えたりする行動や、大勢の人がいると身をすくめる行動は不安感の表れと判断し、人に出会うと飛び付く行動や、散歩の際にリードを過度に引っ張る行動は衝動の強さの表れと判断。この結果を写真と照合して、鼻の周りの白髪の多さとの関係を調べた。

グランディン氏は鼻の周りの白髪の多さを4段階に分け、全く白髪がない「0」から、全体が白髪になっている「3」に分類。不安感や衝動性が強いと判定された犬は、白髪の多いグループに分類される確率が40~65%高くなることが分かった。

犬のストレスと若白髪の関係について当初は懐疑的だったというノーザンイリノイ大学のトーマス・スミス教授は、「データを分析すると驚くような結果が出た」と話している。

グランディン氏によると、ストレスと若白髪との関係は人と犬以外の哺乳類では確認できていないといい、さらに研究を進める必要があるとしている。

大統領になると白髪が増える?

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。