偽物の輸入米2.5トン押収、健康被害を懸念 ナイジェリア

2016.12.25 Sun posted at 14:55 JST

ラゴス(CNN) ナイジェリアでこのほど、偽物の米2.5キロが押収された。密輸されたうちの半分以上は出回っている恐れがあり、健康被害が懸念されている。

ナイジェリアの税関当局は20日、市民からの通報を受けて偽物の米102袋を押収したと発表した。当局者は22日の記者会見で「プラスチックの米」を分析した初期結果を発表し、人体への影響に懸念を示した。どこから密輸されたのかは不明だという。

一方、保健当局は23日の声明で「プラスチックや有害物質が原料だという証拠は見つかっていない」と強調し、消費者に平静を呼び掛けた。

先月小さな商店で安売りの米2キロを買ったという女性は、「30分炊いても柔らかくならないので水を加えてみたが、化学物質のにおいがしてきたので捨てることにした」と話した。

別の女性は贈り物としてもらった米を炊いて異常に気付き、夫が当局に通報したという。

税関当局の報道担当者によると、25キロ入りの米221袋が流入し、押収されなかった119袋はすでに出回っているとみられる。同当局者は「プラスチックというより小麦粉をゴムの膜で覆ったような感じ」と話した。

米はナイジェリアの食卓に欠かせない穀物で、クリスマス・シーズンには特に需要が増える。近年は生産が追い付かず輸入に頼っているが、通貨安の影響で1年前の2倍以上に値上がりした。偽物の米は半値に近い価格で手に入るため、買ってしまう消費者が多いという。

同国オグン州にあるバブコック大学のビクトリア・フェイケミ博士は、偽物の米には合成樹脂が入っていると指摘。「3杯でビニール袋を1枚食べたことになる」と警告している。

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