リビア機がハイジャック、マルタに着陸 犯人投降

リビア南東部セブハから首都トリポリに向かっていた国内便がハイジャックされマルタに着陸

2016.12.24 Sat posted at 14:25 JST

(CNN) リビアのアフリキヤ航空の国内便(乗客111人)が23日、ハイジャックされ、地中海の島国マルタへの着陸を余儀なくされた。ハイジャック犯2人は機体を爆破すると脅迫していたものの、数時間後に投降した。乗客乗員は全員が解放された。

当局は犯人からの要求があったかどうかは明らかにしなかった。ただ、犯人の1人はリビアの元最高指導者、故カダフィ大佐への忠誠を示す緑の旗を機外に出して振っていた。

同機は23日朝にリビア南東部セブハを離陸。北部沿岸の首都トリポリに向かっていたが、ハイジャック犯の命令でマルタへと針路を変更した。マルタはリビア沖350キロあまりの海域にある。同機の使用機材はエアバスA320型機。

マルタ外務省の報道官によれば、同機がマルタに到着した後、マルタ軍がハイジャック犯との交渉を主導した。同日午後の早い時間帯にまず女性が解放され、その後残りの乗客や乗員が続いた。

マルタのムスカット首相は記者団に対し、ハイジャック犯はおそらくリビア国籍だと指摘。犯人らは拘束され取り調べを受けているという。犯人らが持っていた武器は模造品だったとも明かした。

機外に緑の旗を掲げるハイジャック犯

エジプト民間航空省の声明によれば、ハイジャックされた航空機は当初、エジプト北部アレクサンドリアにあるボルグ・エル・アラブ空港への着陸を要求していた。だが、エジプト当局が領空への進入を許可しなかったという。

事態が展開する中、マルタ国際空港を発着する複数の便の運行に遅れが生じた。一部の便は進路を変更してイタリアに向かった。

同機が出発したセブハは政治的な部族対立の中心となってきた。カダフィ大佐に忠誠を誓う部族と反カダフィ派との間で衝突が勃発し、死者も出ている。

カダフィ大佐は40年以上にわたり独裁政権を敷いてきたが、2011年の民衆蜂起「アラブの春」で政権を追われ、反体制派により殺害された。

リビア機がハイジャック、マルタに着陸 犯人投降

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