(CNN) ロシア軍が開発する初のステルス戦闘機「スホイT50」の製造元は22日までに、同機の新たな画像を公式サイトで公開した。ロシアの地元メディアは今年10月、9機目の試作機が今年後半に飛行などの性能試験を受けると伝えていた。
画像を公表したのはT50を開発するロシアの航空機製造メーカー「コムソモリスク・ナ・アムーレ」で、今月15日に撮影したとしている。雪に覆われた飛行場の滑走路を進み、飛行する模様などが収められている。
地元メディアRT.comもこの写真を報じたが、撮影場所には触れていない。
T50は双発エンジンの単座式で、ロシア初のステルス戦闘機として位置付けられている。ロシア政府系のスプートニク通信によると、1機当たりの製造費は5000万米ドル(約59億円)。戦闘機のステルス機能は敵勢力の探知レーダー回避の能力などを指す。
T50は米軍のステルス戦闘機であるF22、F35両型機、中国軍の国産ステルス戦闘機「J20(殲20)」への対抗機種と受け止められている。ただ、5000万ドルの値段はF35と比べれば、より優れた性能を踏まえて格安価格と強調。F35は米軍や同盟国への引き渡しが始まったばかりで、1機当たりの値段は約1億3500万ドル。開発予算の膨脹が米国内でも問題視されている。
同通信はまた、T50の性能をF35と比較し、機動性に勝り、2000マイル(約3129キロ)以上の飛行距離で30%速い速度で巡航が可能と主張。搭載の30ミリ機関砲の威力も誇示し、1種の自動制御機能を持ち1分間当たり最大で1800発の発砲が可能としている。今年9月に実施された搭載兵器の試験結果を受け、この種の機関砲では最良の性能を保持しているとした。
使用される銃弾は装甲貫徹能力もあり、地上の軽装甲車両、海上や空中の標的攻撃などに有効とした。地上では最長で1800メートル、空中では最長1200メートル離れた標的に命中させることが可能と伝えた。
T50は2017年に大規模製造に踏み切り、18年にはロシア軍が飛行大隊を整備する予定。
インド空軍も特別仕様機を調達する見通し。