(CNN) イスラエルのロン・ダーマー駐米大使は22日までに、トランプ次期米大統領の来年の就任に伴い米国がイスラエル内の大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転するよう求めた。
イスラエル大使館で催されたユダヤ教の祭り「ハヌカ」の祝典行事で述べた。トランプ氏は大統領選中、エルサレムへの大使館移転を公約し、実行すると宣言している。
一方、パレスチナ自治政府の母体組織であるパレスチナ解放機構(PLO)のサエブ・エラカート事務局長は米シンクタンクの会議との電話会議で、米大使館のエルサレム移転に踏み切った場合、PLOはイスラエルの国家承認を取り下げると警告。イスラエルとの全ての合意事項も撤回すると宣言した。PLOは1988年にイスラエルを国家として認めていた。
トランプ氏が今月中旬、新たな駐イスラエル大使に指名したデービッド・フリードマン氏もエルサレムへの大使館移設を支持する考えを表明している。「イスラエルの永遠の首都であるエルサレムで仕事することを期待している」と語っていた。
米連邦議会ではエルサレムへの大使館移転を求める法案を可決しているが、歴代の米大統領はこれを拒否している。エルサレムの地位問題はイスラエルとパレスチナ側の間の最終的な和平合意の中の交渉事項というのを理由にしている。
エルサレムをめぐってはイスラエルとパレスチナが帰属を争い、未解決の問題となっている。米国の他に多数の国がイスラエルの首都と認めていない。