「プロ」のサンタがシーズン真っ盛り、養成大学で訓練も

サンタクロースのための特設スペースを設けるモールも多い

2016.12.24 Sat posted at 09:00 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 全米のショッピングモールにこの時期、サンタクロースと並んで写真を撮れる特設コーナーが登場する。赤い服に白いひげのサンタクロース役を務めるのは、数カ月前から準備を重ねてきたプロフェッショナルたちだ。

モールにコーナーを設置しているのは、クリスマスやイースター(復活祭)専門のイベント会社、ノーア・プログラム。各地にレベルの高いサンタを派遣するため、毎年夏にコロラド州アーバダの本社で「サンタ大学」を開く。

サンタ役の仕事を希望する人は、ここで4日間の養成コースを修了しなければならない。サンタのふるさととされる北極(ノース・ポール)にちなんで、本社は「ノーア・ポール」と呼ばれている。

創業者のジュディ・ノーアさんは「サンタになるために一番重要なのは、何といっても心」と語る。「サンタの心さえあれば、ほかのことは何とかなるのです」

ノーアさん自身、ずっとクリスマスが大好きだった。子どもの頃にはクリスマス・カードを手作りし、大きくなってからはクリスマス定番のバレエ「くるみ割り人形」に出演したり、さらには演出を手掛けたりした。そして1981年、この情熱と起業家精神や演出センスを生かして同社を設立。今では毎年、約350人のサンタを雇っている。

「プロのサンタ」になるための学校も

サンタ大学には70人ほどの研修生が集まり、手話やメディア対応の心得を学んだり、ひげの脱色や手入れ、身だしなみの講習を受けたりする。

授業のほかにも、貧しい子どもたちへのプレゼントを集めるチャリティー、バーベキュー、聖歌の練習など、盛りだくさんのプログラムだ。

11月に本番のシーズンを迎えると、そこからクリスマスまでの6週間は朝から夜まで、仕事一色の毎日になる。

ジョージア州に住むリック・デービスさんが派遣されるモールは、自宅から1200キロ離れたイリノイ州にある。デービスさんは毎年、モールの近くに泊まり込んで仕事に通う。「子どもたちのために最高のコンディションでサンタを務めたい。家にいると気が散ってしまうから、このほうが集中できる」と話す。

サンタ役の報酬は非公開だ。経験や派遣先によって違うという。だがサンタ大学の卒業生に聞けば、だれもが「お金ではない」と答えるに違いない。

「仕事というより使命です」と、デービスさんは力を込める。毎日子どもやその子の家族に語り掛けて元気をあげられることに、やりがいをかみ締めているという。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。