ロシア大使暗殺のトルコ警官、家族を聴取 ギュレン運動と関係か

暗殺されたカルロフ大使のひつぎを前に整列するトルコ軍兵士

2016.12.21 Wed posted at 10:50 JST

(CNN) ロシアの駐トルコ大使がトルコの首都アンカラで警官に射殺された事件で、銃撃した警官はメブリュト・メルト・アルトゥンタシュ容疑者(22)と判明した。トルコ内務省によれば、同容疑者はトルコの治安部隊によって殺害された。

ロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使は19日、アンカラで行われた写真展の開幕式でスピーチをしている最中に銃撃されて死亡した。ロシアは捜査員18人を派遣し、トルコ当局と連携して捜査に当たっている。

現場を撮影した写真や映像によると、アルトゥンタシュ容疑者はカルロフ大使の背後に立ち、「アラー・アクバル(神は偉大なり)。アレッポを忘れるな。シリアを忘れるな」と叫びながら数発を発砲した。

国営アナトリア通信はこの事件に関連して、同容疑者の家族など7人が拘束されて事情聴取を受け、ルームメートだった警官1人が逮捕されたと伝えている。

暗殺事件に関連して、アルトゥンタシュ容疑者の家族らが警察に拘束された

一時的に拘束された同容疑者のおじは、トルコ政府がテロ組織とみなすギュレン運動に関連した私立校の元幹部だったとされる。アルトゥンタシュ容疑者の自宅の捜索では、国際テロ組織アルカイダに関する書籍のほか、ギュレン運動に関する書籍も見つかったという。

トルコ政府は今年7月のクーデター未遂にギュレン運動が関与したと非難。容疑者とされる関係者が大量に拘束されたり解職されたりする事態に発展していた。

ロシア大使暗殺事件の数時間後には、アンカラの米大使館前でも男が散弾銃を発砲する事件があり、男はトルコ警察に逮捕された。負傷者は出なかった。この事件を受けて20日、トルコ国内の米大使館や領事館は休館となった。

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