(CNN) 中国北部で大気汚染が深刻化して23都市に今年初の「赤色警報」が発令され、市民生活に影響が広がっている。警報は21日まで続く見通し。
環境保護省によれば、16日の時点で1010万平方キロの範囲がスモッグに覆われた。これは米国の国土面積にほぼ匹敵する。
国営新華社通信によると、北京の南東に位置する天津では高速道路が通行止めになり、公共交通機関は容量を15%拡大した。車はナンバープレートの末尾が偶数か奇数かで走行できる曜日が指定された。
主に貨物便が利用する天津浜海国際空港は18日夕から19日午前にかけて便の運航を停止し、131便が欠航、75便に遅れが出た。
北京でも交通規制が敷かれ、山東省では高速道路の料金所が封鎖されて空の便にも遅れが出ている。
建設プロジェクトは中断され、幼稚園や小学校は休校となった。工場は北京だけでも1200施設で操業停止や減産を行っている。
英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、きれいな空気を求めて北京から南部へ脱出する「スモッグ難民」も相次ぎ、雲南省や福建省のリゾート地へ向かう切符はほぼ売り切れ状態だという。
大気汚染が特に深刻なのは黄海に面した北京、天津、山東省、河北省や、内陸部の河南省など。南西部の成都や北東部の鶏西でも、大気汚染の程度を示す大気質指数(AQI)は有害とされる350を超えている。
気象当局によると、北東部では湿度が高い状況が続き、北京などでは霧の発生も予想される。視界は500メートルを切り、所によっては200メートル以下にまで低下する見通し。
中国北部、スモッグで「赤色警報」