ヨルダン観光地に襲撃、外国人観光客ら10人死亡

ヨルダンの観光地カラク。武装集団の襲撃により死者が出た

2016.12.19 Mon posted at 09:39 JST

ヨルダン・アンマン(CNN) ヨルダン中部のカラクで18日、観光名所の城が武装集団に襲撃され、外国人観光客を含む10人が死亡、34人が負傷した。当局者は「卑劣なテロ」と非難している。

治安当局によると、カラクでパトロール中の警察官が銃撃され、続いて城内の駐在所が襲撃されて、武装集団が城に立てこもった。ロイター通信は警察や治安部隊の話として、城内にいた観光客も出られなくなっている様子だと伝えていた。ヨルダン当局者は、観光客などが人質に取られたのかどうかは明らかにしていない。

治安部隊は数時間にわたって城を包囲。当局は現地時間の同日午後11時半ごろ、事態が収束し、城内にいたテロリスト4人を殺害したと発表した。

この事件で治安部隊の7人とヨルダン人2人、カナダ人観光客1人が死亡した。負傷した34人の内訳は、治安部隊員15人とヨルダン人17人、外国人観光客2人だった。

事件現場となったのは、首都アンマンから約132キロ南部にある12世紀の城で、事件後の捜索で城内から多数の自動小銃などが見つかった。

また、カラクの事件の直前に約40キロほど離れたアルカトラナでも、通報を受けて出動した警官が銃撃されて警官2人が負傷する事件があり、犯人は車で逃走していた。アルカトラナの民家の捜索では自爆ベルトなどの爆発物が発見された。

当局は襲撃犯の身元や組織名を特定するには至っていない。ヨルダンのメディア問題担当相は国営テレビで「卑劣なテロによる犯行」と断言した。

ヨルダンは周辺のアラブ諸国に比べるとテロの頻度が少なく、比較的安全な国と見なされていた。しかし地域の不安定化が増す中で観光業にも影響が出始めたため、ここ数年は観光地周辺の警戒態勢を強めていた。

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