業界団体が経済相に「ラブドール」贈呈、批判殺到 チリ

チリ業界団体のパーティー会場で「ラブドール」を受け取るセスペデス経済相(中央)

2016.12.16 Fri posted at 13:02 JST

(CNN) 南米チリでこのほど、経済団体のトップが大臣にジョークとして「ラブドール」をプレゼントし、物議を醸している。

これは13日の夜、チリ工業製品輸出業者協会(ASEXMA)の毎年恒例のパーティーの席で、ロベルト・ファントゥッツィ会長がセスペデス経済相に贈ったもの。人形の口には「経済を刺激するため」と書かれた紙が貼られていた。

このパーティーではジョークのプレゼントが恒例となっていたが、今回の内容には厳しい批判が巻き起こった。

笑顔で裸の人形を受け取ったセスペデス経済相は15日に謝罪。ファントゥッツィ会長も同日、謝罪するとともに会長辞任を表明した。「私には妻と娘、孫娘がいる。女性への暴力を誘発する意図はまったくなかった」と会長はツイッターで述べた。

チリ初の女性大統領であるバチェレ大統領も、女性蔑視だと2人を厳しく批判した。

ネットではバチェレ大統領に対し、経済相の辞任を促すよう求める声も上がっている

バチェレ大統領はツイッターで「女性への敬意を求める戦いは、私の政権の柱だ」と述べた。「ASEXMAの晩餐(ばんさん)会で起きたことは容認できない」

ツイッターなどでもこのプレゼントへの批判が相次いだ。ある人は「チリ経済界の激しい男性優位主義は社会にマイナスだ。女性をモノ扱いすることや暴力を推奨している」と述べた。

2015年に行われた世論調査では、女性の96%と男性の80%がチリは男性優位社会だと答えている。また、回答者の半数が女性を差別した経験があると答えていた。

ソーシャルメディアでは大統領に対し、経済相の辞任を求めるよう呼びかける声も上がっている。

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