(CNN) シリア北部の都市アレッポをめぐりアサド政権と反体制派の間で停戦が成立したことを受け、反体制派の拠点だった市内東部では15日、一般市民と反体制派の避難が始まった。
多くは近くのイドリブ県にある反体制派支配地域に移送される。ここは残された数少ない反体制派の拠点で、アサド政権側が次に制圧を狙うとみられる場所でもある。反体制派の戦闘員らもここへの移動が認められた。
国際赤十字委員会シリア代表によれば、15日には避難の第1陣と第2陣合わせて3000人近い住民と40人を超えるけが人がアレッポ東部から運び出された。
シリア国営テレビによれば、避難は16日も続くという。
一方、イドリブ県ではアサド政権側の空爆が続いており、この数週間で数十人の死者が報告されている。
今回の停戦合意は、トルコとロシアの仲介による一時停戦が崩壊したのちに新たに結ばれたものだ。
トルコの国営通信社によれば、同国のユルドゥルム首相はロシアのメドベージェフ首相に対し、避難が安全に進められ、市民への被害がないようにと念押ししたという。
一方、シリアのアサド大統領は15日、アレッポの「解放」を祝う国民へのメッセージを発表。「1人1人のシリア市民の手で歴史が書かれている」と述べた。
ケリー米国務長官は、関係者すべてが停戦の維持に向けて努力すべきだと述べるとともに、アレッポからの避難が平和裏に行われなければならないと主張した。
「誰もが最も見たくないもの、それは(反体制派が支配するアレッポ東部の)狭い地域が(ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で大量虐殺事件が起きた)スレブレニツァの再来となることだ」