(CNN) 死ぬ前にサンタクロースに会いたいと願った男の子が最後の希望をかなえてもらい、サンタの腕の中で息を引き取った――。このニュースを伝えた米テネシー州の新聞が14日、情報提供者の証言を信用できなくなったと伝えた。
男の子とサンタの記事は地元紙ノックスビル・ニュース・センティネルが11日のコラムに掲載。全米の報道機関が引用し、CNNもサンタ役を演じた俳優のエリック・シュミットマッツェンさんに取材していた。
ところが14日になってセンティネル紙(電子版)は、このニュースの信憑性(しんぴょうせい)が確認できないと説明。シュミットマッツェンさんは男の子の身元についても、連絡してきたという病院の看護師が誰だったのかについても明らかにしようとしないという。
同コラムの執筆者と編集責任者はこの中で、「シュミットマッツェンさんの話が虚偽だという確証はない。だが報道が真実だったという証明もできない」と述べ、「従ってこの記事は当紙の事実確認の基準を満たさず、われわれはシュミットマッツェンさんの証言の信憑性を支持しない」とした。
CNNではノックスビル市内の主な病院に電話で取材したが、シュミットマッツェンさんが語ったようなエピソードは確認できなかった。検視官事務所からの情報は得られず、現地の新聞に掲載された死亡記事を検索しても、5歳の男の子が死亡したという記事は見つからなかった。
シュミットマッツェンさんには何度も電話で接触を試みているが、まだ本人とは話せていない。
ワシントン・ポスト紙によれば、シュミットマッツェンさんは男の子や看護師の名は明らかにしないまま、自分の話は本当だと話しているという。