ロシア富裕層、米不動産に熱視線 米ロ関係の改善に期待か

ロシアの富裕層が米国の不動産に興味を示しているという

2016.12.11 Sun posted at 16:14 JST

ロンドン(CNNMoney) 米大統領選でドナルド・トランプ氏の当選が決まった後、ロシアの富裕層による米国内の不動産物件の物色が加速していることが11日までにわかった。

国際的な不動産コンサルティング企業「ナイト・フランク」が明らかにした。ロシアのプーチン大統領を強力な指導者としてたたえるトランプ氏の当選で、ロシアと欧米の関係が早急に改善するとの思惑が背景要因とも指摘されている。プーチン大統領は米大統領選中、民主党のクリントン前国務長官よりトランプ氏が望ましいとの考えを公にしていた。

ナイト・フランク社によると、米国内の豪華物件への関心を示すロシア人はトランプ氏勝利が決まった後、前年比で35%増加。休暇用の自宅確保や投資対象としての不動産購入の動機が目立つ。顧客の要望などを見た場合、ほぼ全てが50万ドル(約5750万円)から500万ドルまでの住宅物件への興味を示し、商業用の不動産取得は10%だったという。

物件を選ぶ上での人気の都市はニューヨークとマイアミとなっている。

トランプ氏が関与する開発事業に絡んだ不動産購入に乗り気を見せる少数の顧客もいる。また、米国の開発業者からはロシアとの協力を期待する問い合わせも来ているという。

ロシアのプーチン大統領(左)と米国のトランプ次期大統領

同社が関与した2014年中の国際物件の販売実績によると、ロシア人による米国内の物件購入は全体の中で約15%を占めた。超豪華物件の買い入れもあり、富豪ドミトリー・リボロレフ氏の22歳の娘は11年、ニューヨーク・マンハッタンにある当時では最高価格のアパートを取得し、メディアを騒がせていた。値段は8800万ドルだった。

リボロレフ氏自身も08年にフロリダ州パームビーチの海岸に面した物件を9500万ドルで買い取っていた。売り手はトランプ氏だった。

米国の不動産物件へのロシア人の関心は、ウクライナ危機に伴って欧米諸国がロシアに科した経済制裁以降、衰退していた。経済制裁は、ロシアの主要な外貨獲得源である原油価格の下落とも相まってロシア経済に打撃を与え、通貨ルーブルも暴落する苦境に陥っていた。

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