米大統領選へのサイバー攻撃、オバマ氏が完全調査を指示

2016.12.10 Sat posted at 11:24 JST

ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスは9日、オバマ米大統領が、米国の選挙に影響を与える目的で行われたとみられるハッキングについて、2008年までさかのぼり完全な調査を行うよう指示したと明らかにした。

ホワイトハウスのリサ・モナコ大統領補佐官(国土安全保障・テロ対策担当)は記者団との会合で、大統領が情報当局に対し、今年の大統領選の過程で起きたことへの完全な調査を行うよう命じたと言及。ホワイトハウスのシュルツ報道官はこの後、調査対象には2008年にまでさかのぼる米選挙関連の悪意のあるサイバー活動が含まれる見通しだと補足した。

モナコ氏は、オバマ政権が調査結果を公表することで生じる影響に関して留意していると指摘。公表に当たっては、悪意のある当事者を特定してその身元を突き止める能力に今後支障をきたしかねない情報源や手法を明かさないよう、細心の注意を払いたいとの考えを示した。

上院情報委員会に所属する全民主党議員はオバマ氏に対し、選挙期間中のロシアの活動をめぐる情報を機密解除するよう要請してきた。

=Shutterstock/CNNMoney

モナコ氏によれば、調査はドナルド・トランプ次期米大統領の就任前に終わらせる意向。

これに対しロシア政府は米国側の主張を否定し、ロシアが関与したとの証拠提示を要求。ロシア外務省のザハロワ報道官は、「外務省とラブロフ外相が完全な情報を提供するよう米国に何度も要請したが、一度も回答を得られなかった」と述べた。

米政府は選挙前、選挙結果に影響を与える目的で民主党全国委員会のネットワークなどをハッキングしたとして、ロシア政府上層部を公に批判していた。

民間のサイバーセキュリティー企業や各種米情報機関の間では、こうしたハッキングでロシアが役割を果たしたとの見方が強いが、トランプ氏は依然としてロシアの関与を否定している。

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