米学生、半数が「食料不安」 大学に調達支援の動き広がる

経済的な理由から十分な食事がとれず、不安を抱える学生が増えている

2016.12.07 Wed posted at 13:57 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 大学キャンパス内の目立たない一画にひっそりとある食料庫。空腹を訴え、お金がなくて十分な食事が取れないという学生のため、米ニュージャージー州のモントクレア大学が今年4月に開設した。

同大が学生を対象に実施したアンケート調査では、手の届く価格で栄養ある食事を調達できない「食料不安」状態を自分または知人が経験しているという回答が半数を超えていた。

12月のある木曜日、33人の学生が食料庫を訪れ、パンやシリアル、牛乳、パスタ、缶詰め野菜といった食品や、シャンプー、石鹸などの日用品を持ち帰った。

学内に食料庫を設置する大学は増え続けている。公式統計は存在しないものの、カレッジや大学で組織するフードバンク団体CUFBAの加入校はこの2年で4倍の398校に増えた。

大学の食料庫を利用するためにはまず援助局の審査を受ける必要があるが、ケースバイケースで事情を考慮することもある。

大学に通うコストは所得の伸びを上回るペースで増大している

景気は回復しているものの、大学に通うための経費は所得の伸びを上回るペースで増大し、過去5年で公立校では10%、私立校では12%上昇した。これに対して平均的な世帯の所得の伸びは7%にとどまる。

地域短期大学並びに4年制大学34校の学生3000人以上を対象に実施した調査では、直近の30日で食料不安を経験したという学生が48%に上ることが分かった。

食料不安状態にある学生のうち56%は仕事をしていると答え、半数強は公的な学資援助を、18%は民間の奨学金を受け取っていた。

「学生たちはやるべきことを全てやっているのに、それでもまだ自活できずにいる」。CUFBA共同創設者のクレア・キャディ氏は危機感を募らせている。

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