アフリカは中国をどう見ているのか<1> 中国マネーを歓迎

2017.01.01 Sun posted at 18:00 JST

(CNN) 小規模な食品事業から巨大な鉄道建設プロジェクトに至るまで中国がアフリカ全土で投資を拡大する中、将来的な対中依存に警鐘を鳴らす声が出てきている。だが、このほど発表された報告書によれば、アフリカの人々は実際には中国の投資家を歓迎しているという。

報告書はアフリカの研究者らが参画する調査プロジェクト「アフロバロメーター」がまとめたもの。これによると、アフリカの人々の63%は中国の持つ影響に対して「やや好意的」もしくは「非常に好意的」な見方を示した。一方、「やや否定的」もしくは「非常に否定的」な見方を示した回答は15%にとどまっている。

報告書の共著者で同プロジェクトを統括するエニウェイ・チングウェティ氏は、アフリカには中国に対する否定的な言説もあるとしつつも、「アフリカに対する貢献度から、一般の市民は中国に対して好意的な感情を持っていると思う」と述べる。

中国に対する態度は国ごとに異なる。マリ(中国に好意的な回答者は92%)やニジェール(同84%)、リベリア(同81%)といった国の人々は中国の進出を特に歓迎している。

アフリカの人々が最も歓迎しているのは中国の文化や言語ではなく、中国からもたらされる投資の可能性のようだ。中国への好意的な見方に最も寄与している要素は何かという質問に対しては、インフラ投資との回答が最上位に来た。

アフリカにおける中国のインフラ投資額は他のどの国よりも多い。エチオピア、ケニア、タンザニア、アンゴラといった国が中国資金の最大の受け皿になっている。

インフラ開発に中国からの資金が多く流れ込んでいる

チングウェティ氏によれば、アフリカにおける中国のビジネス活動で主要な位置を占めているのはインフラ開発だ。今回の報告書によれば、中国は小規模事業や食品店への投資も行っているという。

報告書の筆頭著者であるボツワナ大学のモゴポディ・レコルウェ教授は、手頃な価格の自動車や携帯電話をアフリカにもたらしている点も中国に対する好意的な見方の要因となっていると指摘。「こうした商品はかつて非常に高価だったが、今では市場にあふれているため価格が下落した。以前は人々の手が届かなかった商品も購入できるようになった」と述べる。

レコルウェ教授によれば、アフリカ諸国とのビジネスの機会を探っているのは中国だけではない。フランス語圏を中心に旧宗主国が今でも影響力を保っているという。

だがチングウェティ氏は、一部の国では旧宗主国の影響力に陰りが見られるようだと指摘。米国と中国がアフリカにおける主要なプレーヤーになっているとの見方を示す。

次回「アフリカは中国をどう見ているのか<2> 発展モデルは米国? 中国?」は1月2日公開

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