国連安保理、アレッポ停戦案を否決 中ロが拒否権行使

アレッポでの停戦を求める国連決議が中ロの拒否権行使で否決された

2016.12.06 Tue posted at 12:00 JST

シリア北部アレッポ(CNN) 国連安全保障理事会は5日、支援物資搬入のためシリア北部アレッポでの戦闘の停止を求める決議を採決したものの、ロシアと中国が拒否権を行使した。採決に先立っては、米国とロシアの間で激しい議論が展開された。

シリア政府はアレッポ東部に進入した政府軍を支援するため、依然として同地への攻撃を続けている。この攻撃は、4年にわたり反体制派が掌握してきたアレッポ東部の支配権奪還に向けた作戦の一環として行われているもの。

5日には反体制派がロシア軍の開設した臨時の医療施設を攻撃。ロシア国営メディアが同国国防省の発表を引用して伝えたところによると、この攻撃で医療従事者1人が死亡した。

複数の活動家団体によると、政府軍が11月26日に同地に入って以来、空爆や反体制派との交戦により毎日数十人が死亡しているという。

ロシアはシリア内戦勃発以来、停戦のための決議案に対し拒否権の行使を続けている

決議案はスペインとニュージーランド、エジプトが提出。1週間の停戦を提案する内容で、場合によってはこれを7日間ずつ延長できるとしていた。また、紛争に関与する全勢力に対し、国連などによるアレッポ全域への即時かつ安全な人道支援を可能にすることも求めていた。

シリアのアサド大統領の最大の同盟国であるロシアは2011年の内戦勃発以来、常任理事国として再三にわたり拒否権を行使。シリア紛争をめぐる安保理決議6件を廃案に追い込んできた。中国はこのうち5件で拒否権を行使している。

アレッポ東部での政府軍の包囲はかつてなく厳しくなっており、食料の備蓄や水の供給、医療品が底をつきかけている。国連は再三にわたり人道支援スタッフの通行の安全を求めてきたものの、シリアとロシアによる保証が得られていないとしている。

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