アメリカン航空、新制服で健康被害か 客室乗務員が回収要求

アメリカン航空の新しい制服で頭痛や発疹などを訴える客室乗務員が続出=同社提供

2016.12.05 Mon posted at 13:46 JST

シアトル(CNNMoney) 米アメリカン航空の客室乗務員組合が、新しい制服が原因で頭痛や呼吸困難などの健康被害を訴える乗務員が続出しているとして、会社側に制服の回収を求めている。

健康被害を訴える客室乗務員は1600人を超え、制服に原因があるのかどうか突き止めるため、アメリカン航空と組合が共同で調査を進めていた。

同航空は代替素材を使った制服も提供しているが、それだけでは不十分だと組合側は主張。「制服の完全回収を伴わない対策では組合員を守ることはできない」として2日に回収を申し入れた。

組合によると、新しい制服に関連して客室乗務員は頭痛、発疹、皮膚の不快感、目の不快感、かゆみ、呼吸困難などの症状を訴えているという。

アメリカン航空の広報は、原因究明のためにこれまで3度の検証を行い、乗務員には皮膚科の検診を受けさせていると説明。「制服の安全性に疑問はない」として、現時点で回収は行わない方針を明らかにした。

アラスカ航空は2011年に採用して健康被害の苦情が出た制服を14年までに回収した

新しい制服は9月に従業員7万人に配られた。健康被害の原因を巡っては会社側と組合側の見解が異なる。これまでに600人がウールの入っていない制服を注文し、200人は古い制服を着用。関係者によると、組合では素材ではなく製法に問題があるとの見方を強めているという。

問題の制服を製造したツイン・ヒルは、過去にも客室乗務員の苦情の的になったことがある。アラスカ航空は2011年、新しい客室乗務員の制服にツイン・ヒルを採用したところ、今回と同じような訴えが相次いだことから14年までにツイン・ヒル製の制服を回収した。

12年にはアラスカ航空の客室乗務員が、「ディスパースオレンジ37/76」という物質のためにアレルギー反応が起きたとしてツイン・ヒルを提訴した。しかし今年10月、ツイン・ヒル側の主張を認め、乗務員の訴えを退ける判決が言い渡されている。

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