(CNN) 米国のトランプ次期大統領が台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話で会談したことに対し、中国外務省は3日、正式に抗議する声明を出した。
中国外務省の報道官が発表した声明は、大陸と台湾を「一つの中国」とする原則が「中米関係の政治的な基礎」になっていると強調。米国が「中米関係全体への不必要な影響」を避けるため、この原則を守って台湾に関する問題を慎重に扱うべきだと訴えた。
これに先立ち、中国の王毅(ワンイー)外相は同日、電話会談を「台湾による小細工」と呼んで批判していた。
トランプ氏が2日、台湾総統との電話で会談したことによって米政策の転換を図ったのか、あるいは国際経験に乏しい同氏の政権移行チームが単に判断を誤ったのか、専門家らの意見は分かれている。
トランプ氏は2日夜、「台湾総統が私の大統領当選を祝って電話をくれた」とツイートし、電話をかけたのは蔡総統のほうだったと強調。さらに別のツイートで「米国は台湾に何十億もの武器を売っているのに、私がお祝いの電話を受けてはいけないというのは興味深い話だ」と皮肉った。
蔡総統は同日夜、公式ウェブサイトで電話会談についての声明を発表。約10分間にわたって「打ち解けた会話」を交わし、経済や国防、アジア地域の状況などについて意見を交換したと述べた。
トランプ氏の側近、ケリーアン・コンウェー氏はCNNとのインタビューで、トランプ氏は米国のこれまでの政策をよく承知していると強調した。
一方、上院外交委員会のメンバーを務める民主党のクリス・マーフィー議員はツイッターを通し、会談について「気まぐれの路線転換だ。戦争はこのようにして始まるのだ」と非難した。