(CNN) フランスのオランド大統領は1日、来年春の大統領選挙への立候補を断念したことを明らかにした。1958年に第5共和制が成立して以降、現職大統領が再選を目指さないのはこれが初めて。
支持率の低迷に直面しているオランド大統領は「私は大統領選に立候補しないことを決めた」と述べた。
この決定により、与党・社会党は大統領選で共和党(中道右派)のフランソワ・フィヨン候補や国民戦線(極右)のマリーヌ・ルペン候補と対抗する候補を探さなければならない。
オランド大統領は62歳。2012年の大統領選でサルコジ前大統領を破って現職に就いた。社会党候補が大統領選で勝利したのは、ミッテラン大統領が再選された1988年以来、初めてだった。
再選を目指さない意向を表明する中で、オランド大統領は同性婚の合法化や男女平等の推進など、就任以降の成果を挙げた。
また、今年に入って失業率が下がっていることにも言及したが、一方で「今だに高すぎる水準」であることも認めた。
オランド政権下でフランスは、昨年11月のパリ同時多発テロなどのテロ事件に何度も見舞われた。
「こうした恐ろしい状況下において、私は国の結束を維持したいと考えた。分裂と互いへの非難を避けるためにだ」と大統領は述べた。
ただし、テロリストから仏国籍を剥奪(はくだつ)する措置を提案したことは後悔していると述べた。この動きは与党内の対立を招いた。