ニューヨーク(CNNMoney) 米コーヒーチェーン大手スターバックスは、ハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)が来年4月3日付でCEOを退くと発表した。この発表を受けてスターバックス株は、1日の時間外取引で3%急落した。
発表によると、シュルツ氏は来年4月3日以降、同社会長としてイノベーションやプレミアム製品の開発、社会貢献などの取り組みに専念する。後任のCEOにはハイテク業界で長年の経験を持つケビン・ジョンソン最高業務執行責任者(COO)が昇格する。
シュルツ氏はCNNの電話取材に「これは良いことだ。私は会社を去るわけではない」とコメントした。
シュルツ氏は63歳。退任は1年以上前から計画していたという。政界への進出については「私はワシントンへは行かない」と否定して、それよりもスターバックスで社会事業に重点を置きたいと説明、「この国の現状を考えると、取り残された人たちを助ける必要がある」と強調した。
また、客の目の前でコーヒー豆を焙煎する「ロースタリーズ」のような高級品にも力を入れたい意向だという。
電話会見でシュルツ氏は、後任となるジョンソン氏が同社の業績向上に多大な役割を果たしたと評価。ジョンソン氏は「ハワード(シュルツ氏)と一緒に働くことができて光栄だった」と声を詰まらせた。
シュルツ氏は1982年、小売り事業責任者としてスターバックス入り。同氏の貢献によってスターバックスは米国を代表する大手企業に成長した。2000年には世界戦略に専念するためいったんCEOを退いたが、業績が悪化したため08年にCEOに復帰して業績を改善させた。
社会問題についても積極的に発言し、最低賃金の引き上げなどを後押ししてきた。