(CNN) インド最高裁は11月30日、国内の全映画館に対し、映画1本1本の上映前に国歌「ジャナ・ガナ・マナ」の演奏と国旗の映像を流すことを義務付ける判決を言い渡した。
判決ではさらに、「館内にいる者は全員が起立して、国歌に敬意を示すことを義務付ける」と述べ、判決の内容を10日以内に実行に移すよう命じている。
裁判はボパールに住む元技術者が原告となり、何が国歌に対する不敬や乱用に当たるのかを具体的に示すよう求めて起こした。原告側は国歌が頻繁に侮辱されていると主張、国歌を守るための規範が示される必要があると訴えていた。
インドでは一部の映画館が国歌を流しているほか、多くの学校や地域社会の行事でも国歌が流れる。しかし法律で義務付けているのは西部のマハラシュトラ州のみだった。
判決では「国民は自分が住む国のことを認識しなければならず、国歌に対して敬意を示す義務がある」と判断した。
インド内務省の規定では、国歌が斉唱されたり演奏されたりしている時は必ず起立しなければならないと定めている。
過去には国歌に敬意を表さなかったという理由で会場から追い出されたり、暴行されたりした事件も起きていた。
しかしテレビのニュースや報道などで愛国主義的傾向が強まる中、インド国内ではそうした傾向を批判する声も高まっている。