グレートバリアリーフ、今年の白化現象は「過去最大規模」

グレートバリアリーフの白化現象を調べる調査員

2016.11.30 Wed posted at 13:23 JST

(CNN) オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフの北側一帯で今年、7割近いサンゴ礁で白化と呼ばれる現象が起き、過去最大規模の被害が出ているとの報告が新たに発表された。

豪研究機関、オーストラリア研究会議(ARC)のサンゴ礁研究センターを率いるテリー・ヒューズ所長らが報告をまとめた。

グレートバリアリーフの北側700キロの部分を上空から調べたり、ダイバーが直接確認したりした結果、今年に入ってから9カ月のうちに約67%のサンゴが白化現象で死滅したことが明らかになった。

白化はサンゴと共生して養分を補給している藻類が失われてしまう現象で、海水温の上昇や荒天が原因となる。ヒューズ氏によると、この海域では夏の間、最高気温が例年より2度も高くなっていた。

グレートバリアリーフの北側700キロの領域では約67%のサンゴが死滅

グレートバリアリーフでは南側一帯のサンゴ礁が過去30年で半減する一方、北側はほぼ手つかずのまま残っていたが、今年の被害で逆転してしまったと、ヒューズ氏は語る。

これまでも1998年と2002年の2回にわたって大規模な白化現象が起きていたものの、今回ほどの被害には至らなかったという。

死滅したサンゴが元通りまで再生するには最長で15年かかるとされる。ヒューズ氏は「今後15年以内に4回目、5回目の白化が起きて被害がさらに拡大する恐れもある。いつ起きるかはだれにも予想できない」と指摘する。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)では近年、グレートバリアリーフを「危機遺産」に指定するかどうかの検討が進められてきた。オーストラリア環境当局の報道官によると、ユネスコは今後1年以内に判断を下す見通しだ。

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