大気汚染深刻のニューデリー、最高裁が爆竹販売禁止の判断

ディワリを祝って花火をあげるひとびと

2016.11.27 Sun posted at 13:35 JST

ロンドン(CNNMoney) インド最高裁は27日までに、大気汚染が深刻化する首都ニューデリーで爆竹の販売を禁止する判断を下した。

ニューデリーは世界でも特に大気汚染がひどい都市として知られている。そのうえ毎年、ヒンドゥー教の信念を祝う光の祭典「ディワリ」で大量の爆竹や花火が使われ、汚染が極度に悪化する。

こうした状況を受け、幼い子どもを持つ3人の弁護士が昨年、深刻な大気汚染は憲法が保障する子どもたちの「生存権」を侵害しているとして、爆竹の禁止を求めていた。最高裁がこの申し立てを認める判断を下したことについて、原告の弁護士の1人は「大きな前進だ」と語った。

同弁護士によると、最高裁はまた、政府の汚染対策機関に対し、花火などの影響を調べて3カ月以内に報告書を出すよう指示した。この調査結果に基づき、全国で爆竹の製造が禁止される可能性もあるという。

スモッグに包まれたニューデリー

最高裁の判断は先月末のディワリには間に合わなかったが、ニューデリーでは今年のディワリ直後に視界がわずか2~3メートルとなり、市内の学校が3日間休校に追い込まれるなど、記録的な汚染が観測されていた。

大気汚染をめぐっては爆竹以外の原因も指摘されている。ニューデリーは公共交通機関が発達していないこともあって車が多く、現時点で900万台、さらに毎日1400台が新たに登録されている。調理用の燃料や建設工事現場の粉じん、石炭を使った火力発電に、冬場は貧困層が暖を取るためのたき火も加わる。

最高裁は昨年も大気汚染対策として、同市に乗り入れる民間トラックに新たな税を課すとの決定を下していた。

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