トランプ氏と傘下企業との利害対立、米国民の6割が懸念

トランプ氏の展開する事業について、大統領職との利害対立を懸念する声が浮上している

2016.11.24 Thu posted at 19:58 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 「不動産王」としても知られるドナルド・トランプ米国次期大統領が在任中に傘下企業の経営権を子女に委ねたとしても、大統領職と事業権益などに絡む利害対立を防ぐ十分な対抗策に成り得ないと米国民の約6割が懸念していることが最新世論調査で24日までにわかった。

CNNの調査によると、利害対立を阻止するため事業展開の主導権は子どもに委ねると主張するトランプ氏が経営もしくは利害を持つ企業は500社以上。トルコ、カタールやサウジアラビアなど少なくとも25カ国での約150事業も絡む。

企業倫理などの専門家は、トランプ次期大統領ほど利害対立や事業権益に絡む政治的汚職の問題との関わりが注目される大統領は歴代にいなかったと指摘。トランプ氏が傘下企業の経営から離れたとしてもその懸念は続くとも述べた。

CNNと世論調査機関ORCが共同実施した今回調査によると、米国民の59%がトランプ氏による利害対立の回避策は不十分と回答。満足出来るとしたのは39%だった。

この中でトランプ氏は最近、ツイッター上で自らの事業展開は大統領選前から周知の事実と主張。利害対立などの問題を騒ぎ立てるのは不正なメディアだけと述べた。

トランプ氏の政権移行チームには、長女イバンカ氏、長男ドナルド・ジュニア氏、次男エリック氏にイバンカ氏の夫ジャレッド・クシュナー氏が加わっている。イバンカ氏夫妻は、日本の安倍晋三首相とトランプ氏との先週の会談にも同席していた。

トランプ氏は事業展開の主導権を長女、長男、次男に委ねるとしている

ニューヨーク・タイムズ紙は最近、トランプ氏が先週、インド・ムンバイ近くでの不動産建設に関連し同国の事業提携相手の3人と会ったと報道。ワシントン・ポスト紙は各国の外交官がワシントンにあるトランプ氏経営の「トランプ・インターナショナル・ホテル」に投宿し、トランプ氏との接触の手がかりを得る機会を探っているとも伝えていた。

今回の世論調査によると、共和党支持者の71%はトランプ氏が唱える利害対立の対策は十分に機能すると回答。同様の回答は無党派層で41%、民主党支持者で8%にとどまった。

トランプ氏の支持者は子女に経営権を譲る同氏の利害対立の対策に理解を示している。ニューヨーク市のルディー・ジュリアーニ元市長は今月、CNN番組の取材に「経営事業をイバンカ氏、ドナルド・ジュニア氏、エリック氏から取り上げるのは非現実的。彼らを失業に追い込む」と弁護していた。

政権移行チームはトランプ氏の利害対立問題について法律を順守するとの立場を強調している。大統領は就任後、利害対立に絡む連邦法による処罰対象からは免除される。

CNNとORCの共同世論調査は11月17〜20日に成人1003人を対象に電話で実施した。

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