「雷雨ぜんそく」で3人死亡、花粉と悪天候で発生 豪

オーストラリアで「雷雨ぜんそく」と呼ばれる症状で入院する人が相次いでいる

2016.11.24 Thu posted at 12:06 JST

(CNN) オーストラリアで花粉症のシーズンに悪天候が加わって起こる「雷雨ぜんそく」と呼ばれる重いぜんそく症状の発作で3人が死亡したことが24日までに分かった。

同国南部ビクトリア州では21日、数百人が病院の救急診療を受けた。4時間のうちに救急要請は1900回に上り、通常より60台多い救急車や警察、消防も対応に当たった。

オーストラリアのぜんそく関連の財団で理事長を務めるロビン・オールド氏によれば、雷雨ぜんそくは、ライグラスというイネ科の植物の花粉が多く飛散している時期に嵐が重なると発生する。

オールド氏は「非常に花粉が多く、湿度が高い時に激しい雷雨が起きると、湿度のせいで花粉の粒子が水分を含んで細かく割れる。通常なら花粉は鼻の中の毛に引っかかるはずが、細かくなると肺まで到達してしまう」と説明する。

気管支は花粉に刺激されて腫れ上がり、粘液で満たされてしまう。すると呼吸困難が起きる。

雷雨ぜんそくの多くは草の花粉だが、樹木の花粉やキノコの胞子でも起こりうるという。エジンバラ大学のアジズ・シェイク教授によれば、地形によっても異なり、たとえば2010年にはイタリアで、オリーブの木の花粉が原因の雷雨ぜんそくが発生したという。

メルボルン大学のエドワード・ニュービギン教授は、今回の雷雨ぜんそくの患者の中には、ぜんそく発作が初めてという人も多かったのではないかと指摘する。

同大学による2500人超を対象として調査によれば、嵐の最中にぜんそく発作に見舞われた経験のある人のうち、32%はそれまで発作を起こしたことがなかったという。

花粉症の人は特にリスクが高いとニュービギン教授は注意を呼びかけている。

「雷雨ぜんそく」で死者 豪

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。