(CNN) リビア南西部で女子生徒がペットのサルに襲われたことをきっかけとして対立する部族同士の衝突が激化し、病院関係者によると21日までの4日間で少なくとも14人が死亡、60人が負傷した。
衝突は南西部のセブハで18日、有力部族カダファ族とスレイマン族の間で発生した。国連リビア支援ミッションは、死者は少なくとも20人、負傷者は50人以上と伝えている。
発端は17日、スレイマン族の女子生徒がカダファ族の住民のペットのサルに顔を引っかかれ、頭部を覆うスカーフをはぎ取られたことだった。
この報復としてスレイマン族の住民がカダファ族の男性数人を殺害。現地からの報道ではサルも殺されたと伝えられている。
その後も衝突は収まらず、21日早朝の時点でも銃撃や戦車の砲撃、迫撃砲による攻撃が続いて住民は外出を控えている。
カダファ族、スレイマン族はいずれもこの地域で強い勢力を持つ武装部族で、以前から根深い敵対関係にあった。2011年に暗殺された元最高指導者のカダフィ大佐はカダファ族の出身だった。
スレイマン族はカダフィ政権に反発を募らせていて、カダフィ大佐の死後間もなく政権の転覆を図ったという情報もある。
国連リビア支援ミッションは双方に和解を呼びかけ、国連が支援するリビア大統領評議会も即時停戦と自制を促す声明を発表。内務省には原因や状況の調査を、保健省には負傷者への対応を指示した。
別の部族の関係者によると、南部の部族の長老委員会が双方と会って停戦を働きかけているという。