トランプ氏、次期国防長官に海兵隊の退役大将起用か

海兵隊のジェームズ・マティス退役大将(右)が次期国防長官候補に取りざたされている

2016.11.20 Sun posted at 15:16 JST

米ニュージャージー州ベドミンスター(CNN) 米国のドナルド・トランプ次期大統領が新たな国防長官として海兵隊のジェームズ・マティス退役大将の起用に強い関心を示していることが19日わかった。

政権移行チームの内情に詳しい政府当局者がCNNに明らかにした。同退役大将は最有力候補とも見なされ、19日午後にはベドミンスターでトランプ氏と1時間余にわたって会談した。

同政府当局者は、この会合は非常に重要な意味を持つと位置付けているが、マティス氏指名が決まったわけではないと釘を刺した。ただ、トランプ氏は同退役大将の経歴に極めて強い印象を抱き、他の人間からの人物評価なども併せて現段階では国防長官指名に傾斜しているという。

トランプ氏は記者団にマティス氏指名をただされ、「いま言えることは彼は本物だということだ」と応じた。ただ、指名に踏み切った場合、退役将校が国防総省で何らかの職務に就く場合、少なくとも7年間の退役期間が必要との条件をマティス氏は満たさなければならない。同氏は2013年に海兵隊を退いていた。

しかし、共和党が連邦議会の多数派を占め、マティス氏の輝やかしい軍歴が称賛を集めていることなどからこの前提条件を乗り越えることは可能とも受け止められている。

指名の障害となる前提条件は、連邦議会で適用を免除される可能性がある

同退役大将は海兵隊に44年間従軍。2001年のアフガニスタン軍事作戦では南部地区で作戦を統括し、03年のイラク軍事作戦では海兵隊師団を率いた。北大西洋条約機構(NATO)の戦略司令部司令官も務めた。10年には中東地域を担う米中央軍司令官に就任。

実戦経験が豊富な司令官として評価が高く、遠慮のない物言いでも知られ、海兵隊の中でも人気を集めていた。ただ、カリフォルニア州サンディエゴで兵士を前にした演説で、「一部の人間を撃つのは楽しい」と述べて物議を醸す舌禍事件を起こしたこともある。

トランプ氏は18日、国家安全保障問題担当の大統領補佐官にマイケル・フリン退役陸軍中将、米中央情報局(CIA)長官にマイク・ポンペオ下院議員(カンザス州選出)、司法長官にジェフ・セッションズ上院議員(アラバマ州選出)の起用を発表していた。

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