演劇キャストが舞台でペンス氏に直訴 トランプ氏は謝罪要求

副大統領への就任が正式に確定したマイク・ペンス氏

2016.11.20 Sun posted at 10:35 JST

ワシントン(CNN) 米国のドナルド・トランプ次期大統領は19日、ニューヨークで上演中のミュージカル「ハミルトン」のキャストらに対してツイッター上で謝罪を要求した。前夜の舞台でキャストの1人が、観劇に訪れたマイク・ペンス次期副大統領にステージ上から呼び掛け、「米国の価値観を守って」と訴えたことが「嫌がらせ」に当たるとの見方からだ。

「ハミルトン」は米建国の父の1人、アレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いたミュージカル。ヒップホップの歌と踊り、そして出演者のほとんどが非白人という配役が話題を呼んでいる大ヒット作だ。

その客席に19日、ペンス氏が姿を見せた。終演後のカーテンコールでキャストの1人、ブランドン・ディクソンさんはペンス氏に歓迎の言葉を述べた後、人権擁護に関する新政権の意向に懸念を抱いていると発言。「あなたがこの作品に感化されて米国の価値観を守り、私たち全員のために力を尽くしてくださることを願っています。私たち全員のために」と語り掛けた。観客からは大きな拍手と歓声が上がった。

ステージ上からペンス氏に語り掛けるキャストの1人、ブランドン・ディクソンさん

これに対してトランプ氏は19日朝、ペンス氏がキャストから「無礼」な「嫌がらせ」を受けたとツイートし、謝罪を求めた。

ディクソンさんはツイッター上でトランプ氏に向け、「会話は嫌がらせではありません。ペンス氏が耳を傾けてくださったことに感謝しています」と返した。

ペンス氏が劇場に入った時、客席からは少数の拍手と同時にブーイングが起きていた。ディクソンさんはカーテンコールで、ブーイングをしないよう観客に呼び掛けた。

「ハミルトン」の広報担当者によると、ペンス氏は終演後、会場から出ようとしていたが、立ち止まってディクソンさんの言葉に耳を傾けたという。

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