男性の「助言」にうんざり、性差別対策の相談電話誕生 スウェーデン

働く女性は、男性からの押しつけがましい助言の被害者になるケースが多いという

2016.11.17 Thu posted at 18:56 JST

(CNN) 北欧スウェーデンの最大労組「ウニオネン」がこのほど、女性が職場で男性の同僚から押し付けられているとする不要な助言などの被害に対処するホットラインを開設した。

職場での性差別の行動への自覚を深めるための対策の一環。ホットラインは暫定的な措置としているが、無休で毎日の午前10時から午後4時まで開設している。男女の計20人が相談に応じる。これまで215件を超える連絡があり、ソーシャルメディア上でもより多くの反応があるという。

同労組の代表はCNNの取材に「男女平等に関してスウェーデンは十分な先進国だが、処理すべき課題はまだ多数ある」と指摘。「男女間の接し方を変える最初の1歩になるような話し合いを始めたい」とホットラインの意義を語った。

スウェーデンは、ダボス会議で知られる世界経済フォーラムによる各国の男女格差(ジェンダーギャップ)指数で4位に入るなど、職場での平等意識が進んだ国とされている。ただ、ウニオネンが最近実施したアンケート調査では、女性の従業員らが男性から不必要と考える説明などを再三受けているとする実態が浮き彫りになったという。男性のこの種の行動は「mansplaining」とも呼ばれている。

自分の振る舞いについて一人合点せず、相手と話し合ってみることが重要だ

ホットラインの相談員の1人となった女性はCNNに「女性が何を言っても男性には常により良く知っているとの態度が見られる」と主張。押しつけがましい助言の被害者は男性にもいるとしているが、女性の方がより多く迷惑を受けているとも述べた。

ホットラインにかけてくる男性も多く、自らの振る舞いがこの種の行動に相当するのかを心配する問い合わせが目立つという。最も多い質問は女性がおせっかいと受け止める行動を自覚する方法だとし、「一人芝居に陥らず、最初に質問して話し合いの開始を」と回答しているという。

同労組はホットラインを宣伝するため、フェイスブックやインスタグラムでも関連の活動を始め、職場での男性による上から目線の説明などを描写する漫画も掲載している。ソーシャルメディア上でのこれらの活動は大きな関心を引き付けているが、男性を悪者に描く方法は性差別に当たるなどの批判も受けている。

同労組の報道担当者は、男性を非難する意図はなく、目的はあくまで関心と話し合いを喚起するものと説明している。

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