印高額紙幣廃止、銀行パンク・ATM故障 いら立ちが怒りに

印西部ムンバイに住む4人家族が、2兆ルピー相当の課税対象所得を申告

2016.11.15 Tue posted at 18:05 JST

ニューデリー(CNNMoney) インド当局が高額紙幣の廃止を発表したことを受け、国内各地で混乱が続いている。銀行窓口では新たに発行された紙幣が底をつき、現金自動出入機(ATM)が故障し、市民のいら立ちは怒りに変わった。

モディ首相は8日、ルピー紙幣の8割以上を占める500ルピー(約800円)札と1000ルピー(約1600円)札を廃止すると発表。新紙幣との交換を開始したため市民が銀行窓口に殺到し、銀行はパンク状態に陥った。

汚職や脱税を防ぐのが目的とされ、支持者からは「見事な作戦」と称賛する声も上がっている。

当局によると、この4日間で銀行に入金された旧紙幣は計約3兆ルピー分、引き出された金額は計約5000億ルピー。当局は交換やATM利用の限度額を引き上げ、銀行は週末の休みを返上して営業を続けたが、銀行前には週明けも長い列ができた。乱闘騒ぎが起きたり、怒った客がATMの画面をたたき壊したりする事態となっている。

2000ルピー札は買い物には使いづらいのではとの声も

インドでの買い物は現金取引がほとんど。13億人の人口に対して全国に設置されたATMは20万台、そのうち約半数が故障中だ。

ニューデリー市内で列に並んでいた男性は「政府の決定は支持するが、行動計画の裏付けがなかった」と指摘した。

新紙幣の500ルピー札と2000ルピー札は旧紙幣よりひと回り小さく、全国のATMを調整する作業には少なくとも2週間かかる見通し。それまでの間、ATMで引き出せる最大の単位は100ルピー札だ。

日常的な買い物はほとんどが数百ルピー以内に収まるため、新紙幣の2000ルピー札は不便だという声もある。

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