深宇宙探査、物理学の限界を超えて<3> ワープ航法

2017.03.26 Sun posted at 17:00 JST

(CNN) 仮にわれわれ自らが目的地に行けなくても、自宅から間接的に探索できるかもしれない。

10億ピクセルの高解像度を誇る宇宙望遠鏡「ガイア」がこの取り組みに貢献している。ガイア計画の目的は、銀河系の3次元画像を作成し、10億の恒星について正確な距離を測定することにある。

欧州宇宙機関(ESA)によると、ガイアはすでに11億4200万の恒星の正確な位置を把握しているという。

またハッブル宇宙望遠鏡の後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が2018年に打ち上げられる予定だ。可視光や紫外線の観測を行うハッブル宇宙望遠鏡に対し、JWSTは赤外線域で観測を行うため、科学者らはより距離の遠い対象物の発見が可能になる。

NASAのケプラー宇宙望遠鏡がすでに数百の太陽系外惑星を発見しているが、新しい宇宙望遠鏡や将来実施されるミッションにより、それらの太陽系外惑星のより大きな、そしてより詳細な画像の撮影が可能になるだろう。

NASAのチームは、彼らが先進技術大口径宇宙望遠鏡(ATLAST)と名付けた未来の望遠鏡の可能性について研究を進めている。この望遠鏡が実現すれば、1000万光年以上のかなたにある銀河系の星の解像が可能になるとされる。

いつか別の世界の四季を検知できるようになる日が来るのだろうか。

宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティックのCEO(最高経営責任者)、ジョージ・ホワイトサイズ氏は2013年のインタビューで実現可能と述べている。「われわれが生きている間に別の太陽系に存在する別の地球を発見するチャンスは十分にあると思う。実現すれば何と素晴らしいことではないか」(ホワイトサイズ氏)

英ラザフォード・アップルトン研究所(RAL)のボブ・ビンガム氏も「近い将来、太陽系外惑星上で生命の形跡を発見することになるだろう」と語る。

過去に戻って現在の米国に最初に到達したヨーロッパ人に会うことを想像して欲しい。彼らに衛星テレビをどのように説明するか。

われわれは日常的に携帯電話でビデオを見たり、24時間以内に地球の裏側に行ったりすることができるが、中にはほんの数十年前までは不可能だったこともある。

現在は不可能と思われているが、数年先に可能になりそうなことは他に何があるだろうか。

空間と時間を分離し、瞬時にさまざまな場所に行けるようにする方法はあるだろうか。映画「スター・トレック」シリーズの登場人物たちのように、時空を捻じ曲げ、近道をすることは果たして可能だろうか。

CNNは2014年に、米航空宇宙局(NASA)のハロルド・ホワイト氏が、宇宙探査機が光よりも速い速度で航行できるようにするワープ・ドライブの開発に取り組んでいると報じた。

また最近では、アルバート・アインシュタインが重力波の存在を予言してから100年が経過し、ついにその存在が証明された。何とかこの重力波を利用して宇宙旅行を可能にできないものか。

タイムトラベルを含め、現在不可能と見られているさまざまなことに対する答えは、現時点ではわれわれが想像すらできないものかもしれない。

もしかすると、タイムマシンを発明するのはあなたかもしれない。その時は、あなたは発明に至った経緯を説明することになるだろう。

連載終わり

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