ワシントン(CNN) 米国のドナルド・トランプ次期大統領は12日までに、医療保険制度改革(オバマケア)を撤廃して新制度を設立するとの自身の再三の主張について再考する可能性を示唆した。再考の理由としてオバマ大統領との会談を挙げている。米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで明らかにした。
政策変更を示すものというよりは、選挙戦時の言葉遣いを改めたものとみられるが、発言の修正により保守派との対立につながる可能性もある。
トランプ氏はインタビューの中で、10日の会談でオバマ大統領からオバマケアの一部を維持するよう促されたことを受け、自身の立場を見直していると述べた。
契約前の健康状態に基づく差別を禁止した条項や、若い米国人が両親の保険プランを継続して使用できるようにする条項を維持する意向を示した。
トランプ氏は「オバマケアは修正か撤廃、もしくは別の制度に置き換えられるだろう」と指摘。そのうえで、オバマ氏から大統領執務室での会談中に再考を促されたことを認め、「オバマ氏の提案を検討するつもりだと伝えた。大統領への敬意から、そうすることになるだろう」と述べた。
トランプ氏は共和党予備選の最中にも同様の見解を表明したことがあり、今回示した立場は全く新しいものではない。
ただ、オバマケアの即時撤廃や新制度設立などを訴えていた選挙戦での立場から距離を置く可能性を示したという意味で、今回の発言は新たな兆候だと言える。