エボラウイルスに接触か カナダの研究所で職員隔離

アフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)でエボラ出血熱が発生し、患者3人が死亡した

2016.11.09 Wed posted at 12:40 JST

(CNN) カナダ保健当局は8日、中部マニトバ州ウィニペグにある国立の研究施設で職員1人がエボラウイルスに接触した可能性があることを明らかにした。

職員は7日、「外来性動物疾患センター」の実験室で、エボラウイルスに感染したブタを扱う実験に従事していた。同センターの研究チームは、エボラウイルスに対するブタの免疫反応を調べている。

実験室は病原体を扱う施設の中でも最も基準が厳しい「レベル4」に分類されている。職員は安全規定に従って防護服を着用していたが、退室時の除染作業で服の継ぎ目にすき間があいていたことに気付いたという。

職員が所属している食品検査庁の責任者は、「職員たちはリスクとその管理法を熟知している。適切な緊急対応策を全て講じた」と強調した。

エボラウイルスは感染した人や動物の体液に触れることで感染する。潜伏期間は2~21日で、発熱や腹痛、出血などの症状が出る。

カナダ公衆衛生庁の報道官によると、職員がブタの体液に直接触れた形跡はないという。

職員は地元保健当局の監視の下、21日間の隔離状態に入った。公衆衛生庁の専門家は「国民や地域社会、職員らに危険はない」と強調した。同庁は、透明性を確保するために情報を公開したと説明している。

カナダでエボラウイルス感染にかかわる事例が報告されたのは初めて。同ウイルスに有効な予防、治療法は今のところ確立していない。職員には実験段階のワクチンを接種する予防措置が提案された。プライバシーへの配慮から、本人がこれを受け入れたかどうかは公表されていない。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。