(CNN) フィリピンで長年にわたり独裁政権を率いたマルコス元大統領の遺体を国立英雄墓地に埋葬する計画に対して反対派が異議を申し立てていた問題で、同国の最高裁判所は8日までに申し立てを棄却し、埋葬を認める判断を下した。
最高裁は9対5(棄権1)で申し立てを棄却した。
裁判所前ではマルコス氏を支持する賛成派が判断を歓迎した。一方、反対派は「マルコスは英雄ではない」と書いた横断幕や、「弾圧犠牲者のために裁きを」と訴えるプラカードを掲げて抗議した。
マルコス氏の遺体は北イロコス州にある一族の霊廟(れいびょう)に保存されている。英雄墓地への埋葬計画は、今年5月の大統領選で勝利したドゥテルテ大統領が就任直後に発表した。
同州の知事を務めるマルコス氏の娘、アイミー氏は8日、CNNに「父は兵士の1人として(英雄墓地に)埋葬されることを望んでいた」「一兵士としての質素な埋葬になるだろう」と語った。
異議を申し立てた弁護士団体の責任者は先月、CNNとのインタビューで、英雄墓地への埋葬は「まだいえていない傷口に塩をすり込むようなもの」「民主主義の回復に向けた国民の努力をあざ笑う行為だ」と主張していた。