ニカラグア大統領選 現職が再選へ、夫人が副大統領に

オルテガ大統領と妻のムリヨ氏のポスター

2016.11.07 Mon posted at 10:57 JST

(CNN) 中米ニカラグアで6日、大統領選挙の投票が行われ、ダニエル・オルテガ大統領(70)が再選される見通しとなった。当選が決まれば通算4期目。今回は妻のロサリオ・ムリヨ氏(65)を副大統領候補に指名している。

同国の政治に詳しい関係者によると、ムリヨ氏はこれまでも長年にわたり、オルテガ大統領と共に同国の政治を実質的に動かしていた。

8月に夫婦で出馬を表明した時点でオルテガ大統領はムリヨ氏について、これ以上の副大統領候補はいないと述べ、「多大な秩序と犠牲をもって、効率的かつ効果的に仕事をしてきた」と評価した。

オルテガ大統領は社会主義者で元左翼ゲリラ。夫婦での出馬に対しては、法をかいくぐって政権を支配する行為だとして批判の声も出ていた。

同国の憲法では、現職大統領の親族の出馬を禁じている。しかし最高裁は、ムリヨ氏を副大統領候補とすることに法的な妨げはないとの判断を示していた。

オルテガ氏は1985年に初めて大統領に就任し、1990年と1996年、2001年の選挙では破れたものの、2006年と2011年の選挙で再選を果たした。

オルテガ氏が就任する前のニカラグアでは、大統領の連続再選を禁じていたが、同氏は2014年、議員らに圧力をかけて任期制限を撤廃させていた。

作家で詩人、活動家でもある妻のムリヨ氏は、2007年のオルテガ大統領就任以来、常に夫に寄り添ってきた。同国の政治に詳しい政治科学者のクリスティン・ウェイド氏はムリヨ氏について、「夫の背後で権力を振るっているとの見方もある」と述べ、「一部の社会制度において非常に重要な役割を果たし、政権の顔となり、閣議を取り仕切り、ラジオ番組でも非常に人気がある」と解説している。

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