ワシントン(CNN) 米大統領選の投票を8日に控え接戦が続く中、CNNが集計した選挙人獲得情勢図「Road to 270」によると、情勢が変化した4地域全てで共和党候補のドナルド・トランプ氏に有利な展開となったものの、全体としては民主党候補のヒラリー・クリントン氏が依然優位を保っていることがわかった。
大統領選で勝利するためには、選挙人538人の過半数270人の獲得が必要となる。前回集計時と比べると、メーン州の第2下院選挙区が「激戦区」から「共和党寄り」に変化。オハイオ州とユタ州も「激戦州」から「共和党寄り」に変わったほか、ニューハンプシャー州は「民主党寄り」から「激戦州」になった。
これらを踏まえた選挙人獲得数の見通しは、民主党支持か民主党寄りの州を総計するとクリントン氏が268人。同様の計算によりトランプ氏は204人となっている。依然として激戦区になっているのは、アリゾナ、フロリダ、ネバダ、ニューハンプシャー、ノースカロライナの5州と、ネブラスカ州オマハ市内とその周辺にある第2下院選挙区。これらの地域には計66人の選挙人が配分されている。
トランプ氏は選挙人の推定獲得数を増やしたものの、クリントン氏は依然としてはるかに有利な立場にある。現在の情勢だと、クリントン氏は残る激戦州のうち1つでも勝利すれば、大統領選の座を確保できる。一方、トランプ氏はこれらの地域すべてで勝利する必要がある。ただ、以前よりもトランプ氏の道のりの険しさはわずかながら軽減された。
情勢図への今回の変更は、世論調査の現在の動向や、重要州の情勢を追っている各陣営と提携団体の報道、各陣営やその他の団体によるテレビ広告の展開に関する決定、候補者本人や代理人の遊説状況を反映している。
情勢図は8日夜の開票時の選挙人獲得数を予想したものではなく、最終盤に向かう選挙戦の現時点の状況を示したもの。