米から買えなければロシアから、銃売却中止報道で比大統領

銃器の調達先としてロシアに言及したフィリピンのドゥテルテ大統領

2016.11.03 Thu posted at 19:56 JST

(CNN) 米国がフィリピン警察への銃の売却を中止したと伝えられた問題で、フィリピンのドゥテルテ大統領は、ロシアから武器を買うことも示唆して強気の発言を続けた。

CNNフィリピンによると、ドゥテルテ大統領は今回報じられた内容について、「彼らは武器を売らないといって私を脅しているのか。ここには爆弾がたくさんある」と強調。「ロシアの外交官が私に言ったことがある。ロシアへ来れば、あなたが必要なものは何でもありますよ、と」と語った。

これに先立ちロイター通信は、米国務省が人権問題への懸念から、フィリピン警察に突撃銃約2万6000丁を売却する計画を中止したと報じていた。

フィリピン国家警察のデラロサ長官は2日の記者会見で、米国からライフル銃を買えないのならほかを当たると述べている。

米国のオバマ政権との溝が埋まる気配はいまだ見られない

マニラにあるデラサル大学のリチャード・ヘイダリアン教授は、米国から銃を買えなくなってもフィリピンにとってそれほど大きな痛手にはならず、銃はほかから買うことができると指摘する。

ただしこれは、米オバマ政権がフィリピンに対してしびれを切らしつつある徴候だと同教授は分析、「これは警告だ。米政府が人権侵害に目をつむることはない」との見方を示した。

ドゥテルテ大統領は就任以来、中国やロシアとの関係を強化する一方で、米国とは距離を置くと断言してきた。

中国とフィリピンの間では、両国が対立してきた南シナ海のスカボロー礁の漁業権を巡って合意が成立。ドゥテルテ大統領は過去にロシアとの関係強化にも熱心な姿勢を示し、ロシアは代替の武器供給国になり得ると発言していた。

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