(CNN) マレーシアと中国は3日までに、エネルギーや軍事など多方面での協力を強化することで合意した。中国国営メディアが伝えた。
マレーシアのナジブ首相は中国国営の中国日報への寄稿で「我々2国間の関係は新たな頂点に到達する」と述べ、中国から沿海域任務艦4隻を購入することで合意したと明らかにした。このうち2隻は中国で、2隻はマレーシアで建造する。ナジブ首相はこの合意を「我々2国間で初の重要な防衛取引」と形容している。
ナジブ首相はかつてマレーシアを植民地化していた欧米諸国にも矛先を向け、「自分たちより小さい国を公平に扱うことは、大国に課せられた義務だと信じる」と強調。「これはかつての宗主国にも当てはまる。そうした国がかつて搾取した国に対し、現在の内政の在り方について説教する筋合いはない」と牽制(けんせい)した。
領有権争いが深刻化している南シナ海については、中国の劉振民外務次官が「中国とマレーシアが南シナ海の平和と安定を守るために海軍協力関係を強化することは、2国間の相互信頼関係強化において多大な重要性を持つ」と指摘。
ナジブ首相は「重複する領土および領海紛争は、法の支配と平和的交渉に従って平穏かつ合理的に対応しなければならない」と応じた。
劉外務次官はまた、南シナ海に面するマレーシアのサバ州で石油およびガスパイプラインを共同で建設する計画も明らかにした。
アジア太平洋地域ではフィリピンも中国との関係強化に乗り出しており、一部ではこの地域での米国の影響力低下の兆候と受け止められている。