「トランプ氏には投票しないで」 経済学者370人が呼び掛け

経済学者370人が共和党候補のトランプ氏に投票しないよう呼び掛ける書簡を公開した

2016.11.02 Wed posted at 12:31 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ氏が掲げる経済政策は支持できないとして、同氏に投票しないよう呼び掛ける書簡が2日までに公開された。全米の経済学者370人が署名している。

書簡には「トランプ氏の発言からは経済学の知識がほとんどないこと、信頼できる専門家に耳を傾けられないことが分かる」と書かれていた。賛同者はほぼ全員が大学教授だ。

書簡はさらに、トランプ氏がこれまで貿易、製造業、移民の問題や、毎月の雇用統計などを発表する労働統計局のような機関をめぐり、米国民に大きな誤解を与えてきたと非難。同氏に投票しようとしている有権者は「別の候補を選ぶべきだ」と訴えた。

ただし、民主党候補のヒラリー・クリントン氏を支持するとは明記されていない。

民主党候補のクリントン氏の経済政策についても300人以上の経済学者から否定的な見方が出ている

書簡の内容を最初に伝えた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、トランプ氏の経済顧問を務めるカリフォルニア大学アーバイン校のピーター・ナバロ教授は、「トランプ氏が主張する減税や規制緩和、石油やガス、クリーンな石炭の増産、貿易赤字解消の政策が経済成長を大きく促すことは、経済学の博士号がなくても分かる」と反論した。

トランプ氏はメキシコや中国に高い関税を課し、北米自由貿易協定(NAFTA)などを見直し、不法移民を強制送還すると主張してきた。これらについても、米経済に悪影響を及ぼすとの批判が集中している。

一方でクリントン氏の経済政策も、専門家から必ずしも歓迎されていない。9月には、同氏が主張する化石燃料の抑制策や税制案、連邦最低賃金の引き上げなどを「時代遅れの政策」と批判し、経済減速を招くとの見解を示した書簡に、経済学者300人以上が署名していた。

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