密航者の移住を生涯禁止、豪首相が法案提出へ

オーストラリアのターンブル首相

2016.10.31 Mon posted at 10:46 JST

(CNN) オーストラリアのターンブル首相は30日、密航船で同国への入国を試みる難民希望者らの移住を生涯にわたって禁止する法案を議会に提出すると表明した。一部からは、法案には合理性がないなどの批判も出ている。

ターンブル氏は30日の記者会見で、法案は密航あっせん業者に対する「断固とした明確なメッセージ」だと強調。正式な手続きを経て入国する難民にとってはより公正な体制になるとも述べた。

同氏はさらに「寛容な人道政策や多文化共生社会の実現には、政府による国境管理という土台が不可欠」との考えを示した。

オーストラリアでは命がけで海を渡ってくる難民が後を絶たず、アボット前首相も密航船の受け入れ拒否を打ち出していた。

密航船で流れ込む難民希望者は2012年以降、同国が太平洋の島国ナウルやパプアニューギニアのマヌス島に設けた収容施設へ送られてきた。

オーストラリアへの移住を禁止されるのは、2013年7月19日以降に密航を試み、これらの施設に収容された難民希望者。18歳未満の子どもは対象外となる。

国連児童基金(ユニセフ)のオーストラリア事務所は30日の声明で、ターンブル首相の提案を「合理性も必要性もない」「密航業者への警告というより、難民を正面から罰することになる措置だ」と批判した。

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