クリントン氏、メール問題でFBI長官を非難

メール問題の調査再開を受け、クリントン氏がFBI長官の判断を批判した

2016.10.30 Sun posted at 10:21 JST

(CNN) 米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題で、連邦捜査局(FBI)のコミー長官が新たなメールを調査していると議会指導部に通知したことに対し、クリントン氏は29日、大統領選直前の動きとして「前代未聞」だと述べて長官を非難した。

クリントン氏は遊説先のフロリダ州デイトナビーチで支持者らを前に、「選挙直前のタイミングでこのように実体のない情報を公開するのはおかしい」と主張。さらに「前代未聞の、深く憂慮すべき事態。有権者には事実の全容を知らせるべきだ」と力説した。

同氏はそのうえで「コミー長官はただちに全てを説明し、情報を全て提示する必要がある」と呼び掛けた。

クリントン氏は共和党候補のドナルド・トランプ氏にも矛先を向け、この問題をめぐって同氏が「全力で米国民を混乱させようとしている」「すでに話をでっち上げ始めた」と不快感を示した。

コミー長官は28日、私用メール問題との関連が疑われる新たなメールが別件の捜査で浮上し、FBIが同問題の捜査を再開したことを明らかにした。

クリントン陣営からはFBIが政治的な領域に踏み込んだとの見方が出ている

フロリダでの演説に先立ち、クリントン陣営を率いるジョン・ポデスタ氏は、コミー長官が選挙前のタイミングを計り、特定の内容だけを選んで公表したと非難。陣営幹部のロビー・ムック氏も、FBIは政治的な領域に踏み込んだとの見方を示唆した。両氏とも、浮上したメールには新たな情報が含まれていない可能性もあると指摘し、選挙戦への悪影響を打ち消している。

クリントン氏の陣営は今年7月、私用メール問題で同氏の訴追を求めない方針を示したコミー長官の「プロ意識」を称賛していた。

FBI長官の任期は10年で、コミー長官が就任したのは2013年。クリントン氏が大統領に当選した場合も、解任されない限り長官職にとどまることになる。

選挙直前の調査再開、「前代未聞」

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