(CNN) 来日中のフィリピンのドゥテルテ大統領は26日、東京で開かれた経済セミナーで講演し、国内に駐留する外国の軍隊をできれば2年以内に撤退させたいとの意向を示した。
ドゥテルテ大統領は「外国の軍隊には出ていってもらいたい」と述べ、米国との合意や協定について見直しや廃止が必要なら、そうする用意があるとの考えをも明らかにした。
大統領はまた、フィリピンは国際社会の「ドアマット」になる気はないと述べた。一方で、近隣国や同盟国を念頭に、先週の中国訪問の主なテーマは貿易であって安全保障問題ではなかったと訴えた。
ドゥテルテ大統領は「私は中国を訪問したが、安心してもらいたいのは、(話し合われたのは)すべて経済問題だったということだ。兵器や軍隊の駐留といったことについては話さなかった。同盟や軍隊といったことについて話題にすることは避けた。決まったことと言えば、投資の流入先となるいくつかのプラットホームだけだ」と述べた。
大統領は「独自の外交政策を採ること」は憲法により「義務づけられている」と述べた。
この講演でドゥテルテ大統領はまず、日本とフィリピンの結びつきを高く評価。続いて、過激な麻薬取り締まりに対する姿勢が変わらないことを語るとともに、国際社会においてフィリピンは犠牲になってきたとの持論を展開した。
ドゥテルテ大統領は「国際社会の前で私のことを激しく非難し、叱責するとしたら、つまり『ドゥテルテさん、殺人をやめなさい、やめないとあなたの国に対する援助や支援を手控えますよ』と言うとしたら、それは私のことを『ひもでつながれた犬だ』と言っているようなものだ。『もし犯罪者たちに噛みつくのをやめなければ、パンを口元に投げてやるのではなく、遠くに投げてやる。そうすれば取りに行くのに大変な思いをするだろう』というわけだ。米国は私にそうなれと望んでいる。かわいがってもらおうと吠える犬に」と述べた。
アーネスト米大統領報道官は26日、同盟関係の変更についてフィリピン側から公式な申し入れは来ていないと述べた。報道官は「現時点では(発言は)レトリックだと考えるつもりだ。だが不安定をもたらす要素であることはいなめず、それはこの数十年にわたって盤石であった同盟関係にはそぐわない」と述べた。