ローマ(CNN) イタリア中部で26日、強い地震が2度にわたって発生した。同国では8月にアマトリーチェを襲った地震でも300人近い死者が出ていた。
米地質調査所やANSA通信によると、現地時間の同日午後7時ごろ、中部ビッソの約9キロ南南西を震源とするマグニチュード(M)5.5の地震が発生。約2時間後にビッソの約3.2キロ北部を震源とするM6.1の地震が起きた。いずれも震源は浅かった。
この地震により、ビッソなどで建物に被害が出ているが、現時点で死傷者に関する情報は伝えられていない。
ビッソは首都ローマの約180キロ北東にある。同地から約80キロ南部のアマトリーチェは8月24日に起きたM6.2の地震で約270人が死亡、近郊の町でも20人が死亡していた。
ANSAによると、現地は夜に入り、大雨が降っていて被害の全容は把握できていない。赤十字のイタリア支部広報によれば、住民の多くは最初の地震で自宅から避難して、2度目の地震が起きた時には屋外にいたという。地震の揺れはローマでも感じられた。
CNN系列局のRAIテレビは、ビッソに通じる道路が落石でほぼふさがれ、車がこれをよけながら通行する映像を伝えた。ビッソ市内では石造りの建物数棟が損壊しているという。
災害対策当局によると、既に損傷していた建物が倒壊し、アマトリーチェ近郊では幹線道路に構造的被害が出た可能性があるとして通行止めになった。
倒壊した建物は8月の地震以降、使われなくなっていて、立ち入りも禁止されていたという。
警察は、雨の中テントで野営する住民らに避難所を提供している。
イタリア中部で2度の地震