(CNN) 米地質調査所(USGS)などの研究チームが、ドローン(小型無人飛行機)とピーナツバターを使って絶滅の危機に瀕しているクロアシイタチを救おうという作戦を展開している。
クロアシイタチはかつて絶滅したと思われたこともあった希少生物。しかし、今回の作戦ではクロアシイタチではなく、その餌となるプレーリードッグを最初の目標とする。
クロアシイタチもプレーリードッグもペスト菌に感染しやすく、プレーリードッグに感染が広がれば、クロアシイタチも生き残れなくなる。
そこで米地質調査所の研究員トニー・ロック氏は、15年前から感染防止を目的としたワクチン開発に当たってきた。
既にクロアシイタチの個体数は数百匹にまで減り、保護対策は時間との戦いになっている。このためプレーリードッグへのワクチン投与を急ぐ必要があった。
この話をラジオで聞いたモンタナ州のカート・クリーガー氏は、ドローンを使った配布作戦を申し出る。研究チームと協力してワクチン投与のための餌の研究を進め、ピーナツバターやゼラチンを使った餌をほぼ完成させた。
この夏にはモンタナ、コロラド、サウスダコタの各州で、ワクチンを仕込んだピーナツバター味の錠剤をドローンで散布。魚類野生生物局によれば、プレーリードッグの60~90%が錠剤を食べ、作成は成功した。来年夏にもドローンを使った実験の再開を予定している。
プロジェクトに協力している自然保護団体のWWFは、この作戦の映像を公開。魚類野生生物局も、コロラド州の博物館で飼育されているイタチの様子をウェブカメラで紹介している。